さよならiPad

およそ4年に及んだiPadとの関係を解消することにした。
スティーブ・ジョブズが、「スマートフォンとラップトップの間のもの」と胸を張ったプロダクトは、iPhoneのようには僕の生活になじまなかった。

新しいプロダクトは、新しい生活を予見させるワクワクを与えてくれる。
そうして手に入れたiPadは、これをうまく使いこなせばナニカが得られるはずだという期待感だけは与え続けてくれたけれど…

でっかいiPhone

iPadを、でっかいiPhoneと表現したって誰も文句は言わないだろう。
そしてそれは文字どおり、iPhoneで楽しめることをサイズ比並みに拡大してくれた。
大きな画面でブラウジングが可能で、大きな画面で動画が楽しめて、でっかい写真も楽しめた。
iPhoneでは苦痛と思える、電子書籍の雑誌を読む作業もだいぶ和らげてくれた。
しかしその反面、入力のまどろっこしさは払拭できなかった。
iPhoneでは快適な片手フリック入力も難しく、縦持ちダブル親指入力でお茶を濁していたけれど、だんだんに入力作業は遠ざけるようになり、iPhoneの拡張ビューワーのような立ち位置に甘んじるようになってしまった。

電子書籍に馴染めなくて

もし僕が電子書籍のヘビーユーザーだったなら、手放すことはなかっただろう。
iTunesが、欲しい音楽を即座に手に入れられる喜びを与えてくれたように、電子書籍もまた同じような喜びを与えてくれる。
そしてそれを楽しむのに、iPadのディスプレイサイズはふさわしい。
しかしどうにも、電子書籍を読むという作業に馴染めない。
これは、電子書籍を批判しているわけではない。
僕が対応できていないだけの話だ。
できれば馴染みたかった。
書籍も雑誌も漫画も、欲しい時に手に入れてサクッと楽しめるようになりたかった。
しかし、ページをめくる感じ、うまく処理できない見開きページ、Retinaディスプレイが目に与えるダメージ、こうしたものが積み重なってしっくりとくることはなかった。

ラップトップの代打にはなれない

誰しも当初考えるであろう、ラップトップの代役。
そして御多分に洩れず、僕も見事に挫折した。
しかし、これはiPadだけのせいにはできない。
僕は、ブラウザの拡張機能をあれこれ使いながら作業することが多い。
だから、そうしたものに対応できていないiOSのブラウザでは、役割を果たすことができなかったのだ。

ゲンバで輝くはずだけど

会社に個人所有のMacBook Airを持ち込むことは許されないので、冴えないWindowsのラップトップとバディを組まされている。
会社のシステムが、iPadでも利用できるようになるというのは光明だった。
そうすれば、バディにはお休みいただいて、自前で調達したパートナーと、美しくはないデスクトップとは縁遠い生活が送れるはずだった。
しかし、対応したという会社のシステムは、文字通り対応しただけ。
Windowsのディスプレイで眺めていたものが、そのまんまiPadのディスプレイに映されていいるだけのこと。
そこにはiPadの特徴を活かすようなものはなく、個人ユースでは見たことがないようなカチカチの使いづらいアプリが居並ぶだけだった。
Appleも、そうした状況に手を打つためにIBMと提携し始めたが、中期計画とやらに縛られている腰の重たい企業のシステムが対応するのは東京オリンピックより早まることはないだろう。

しかし、本来はこのプロダクトは、仕事の現場でこそ輝くはずだ。
情報の表示に不足のない持ち運べるディスプレイサイズに、専用のアプリが加われば、それはかなりのセイサンセイを上げてくれるだろう。
だからiPad Proという限られた場面で力を発揮するものに進化していくことは納得できる。
そしてiPad Proとまでいかなくとも、iPadにふさわしいアプリが加わるだけで一気に光が当たるはずだ。
そいういう意味では、AppleとIBMの提携には期待したい。

良い余生を

使わなくなったiPadをリビングに置きっぱなしという話もよく聞くが、僕は処分して出て行っていただいた。
なんというか、メインで使わないものの充電だとかアップデートだとかの煩わしさから解放されたかったからだ。
そうしてそれは、僕がイマイチApple Watchに手を出せない理由でもあるのだけれど。
ガジェットといえど、ココロをかけてくれない者のそばにいることは、幸福であるとは言えないだろう。

iPadは、最近買取に力を入れいてるBOOK OFFに引き取っていただくことに。
iPadは、買い替えの少ない長く使われるプロダクト。
傷もつけずに大事に使っていたから、まだまだ現役で長く活躍してくれるはずだ。
この先は、幼児の子守をするのか、シルバーボーイズ&ガールズのお供になるのか、はたまたパワーユーザーのバディとして輝くのか、いずれにせよ良い余生を過ごしてほしい。
親孝行が全くできていない母に渡してあげてもよかったなぁと気づいたのは、しかし、もうすっかりお店を離れた後だった…

Filed under: Apple User, iPad

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Reblogger in Tokyo「タフでクールで そしてヒューマンタッチ」TumblrにどっぷりDopeな「無色匿名」の男。iPhoneとMacBookを使いこなすどころか逆に使われっぱなし。ミニマルなブログに挫折してアンプラグド・ブログを運営中。