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こんな雨くらいだったら

こんな雨くらいだったら、傘なんかないほうがずっと快適だったはずだ。
誰かに傘をぶつける心配もなく、すいすいと傘の波を泳いでいた。
そのころは、雨の温度も音も、なによりニオイも、しっかりと五感だかなんだかに受け止めながら歩いていた。
いつからか多少の雨でも傘を開くようになり、その予報があるときには、閉じたまんまの傘を後生大事に持ち歩くようになった。
なにがどうなろうと構わないジーパンとスニーカーがプレスラインを気にするスーツに変わり、濡れてオシャカになっても構わない煙草の位置に決して濡らしてはいけないデジタルガジェットがおさまるようになったいつからか、二股にわかれた道のコチラガワを歩き続けてきたようだ。
その身軽さとセカイのニオイを、所詮広告にしかつながらない電波と引き換えにして。

Filed under: 独白

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「タフでクールで そしてヒューマンタッチ」Reblogger in Tokyo

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