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「一生お金に困らないために まずは年収の1割を貯めなさい! 」レビュー「大切なモノにフォーカスするために」

本書は、生活を削りに削って、なんでもいいから貯めなさい!
というような内容ではない。

年収の1割を貯める習慣を身につけることで、支出をコントロールできるようになる!

その重要性と簡単に始められる方法を説いている。
それは表面的な節約術とは一線を画すもの。
お得だからと、バーゲンで大盤振る舞いし、ポイントにしばられ、スーパーの特売チラシに振り回される生活とは手を切りなさいと言っている。

そもそもヒトは何故、貯蓄をするのだろう?

もしあなたが、次のどちらかであれば貯蓄をする必要はないだろう。

  1. 一生分必要なお金をすでに持っている
  2. どんな状況でも、絶えず必要な収入が入ってくる

1番目のヒトは貯蓄などする必要はないだろう。
ただ、支出をコントロールして、取り置きしておけばいい。
しかしその手持ちのお金は、インフレリスクを見込んでも充分な額でなければならないが。
そしてその資産は、純粋な流動資産でなければならない。
不動産などという、評価も上下動し、相続時の納税のために別途キャッシュが必要になるものは別腹で考えるべきだろう。

2番目のヒトも貯蓄の必要はない。
どんな突発的な支出が発生してもそれに見合うだけの収入があり、自分がどんな健康状態になろうともそれが途絶えない。
さらに、自分が何歳になろうともそれを失う恐れがない。
こういう状態であれば、貯める必要なんかない。
収入のタイミングに合わせて使いきっていけばいい。

こうしてみると、うらやましい人達だ。
そして、そのうらやましい人達の中に自分がいないのなら、貯蓄をしなければならない。
手持ちのお金で一生を送るには全然足りず、これからの収入で人生を賄う必要があるヒト。
収入をはるかに超える突発的な支出が発生する可能性があり、その収入も生きている限り保証されているわけではないヒト。
こうしたヒト達は、バランスが崩れる局面のために貯蓄しておくしかないのだろう。

支出をコントロールするということは、人生において大切なモノにフォーカスすることだといえる。
不必要な物を買ったり、そもそも何に使ったかわからない使途不明金を生む行為は、人生自体を浪費していることに他ならない。
「思い通り」に生きることが幸福だと定義すれば、その「思い通り」を明確にしなければならない。
そして資本主義的観点から言えば、その「思い通り」はいくらかかるのか?という点を明確にしなければならないのだ。

削りに削って薄まったただ生きながらえることを目的とした貯蓄ではなく、豊かな人生のための手段としての貯蓄。
この観点で書かれた本書は、読む価値がある。
大切なモノにフォーカスするという点で言えば、「ミニマル・ライフ お金編」といえるかもしれない。

関連記事:「minimalism ~30歳からはじめるミニマル・ライフ」レビュー「Less is Moreの人生を!」

本書の特徴

1.わかりやすく始めやすいメソッド

特殊な知識がなくても始められる簡単な口座管理の方法や、買い物の予算化などが語られていて、わかりやすく始めやすい。
とかくFPが書いたものは、アレコレの知識の羅列に終始している事が多いのだけれど、本書はそうした馴染みのない専門用語に邪魔されることなく、すんなりと読める。

2.自己投資のススメ

投資に関しても、どんな投資がお得なのかと知識が羅列されているわけではない。
ここでは、自分への投資をススメている。
様々な要因で結果が大きく変動する金融商品への投資より、身につければ一生消えない自分への投資のほうが有用性があると。
だからといって目的のない資格取得はムダであり、まずは読書から。
そこから始めることで、浪費の時間も投資の時間に変えていくことが出来る。

3.終身保険の有用性

昨今の、保険料を削って金融投資にまわさせようという世の中の大きなマーケティングで、安いネットの掛け捨て保険のプロモーションは華々しい。
保険料が削れて喜んでいたら、支払事由も減っている。
そして、日本の健康保険制度を踏まえて、本当に必要かどうかわからない医療保険。
だいたい、この2つを推しメンにあげるFPが多い中、本書は最近ディスられるコトの多い終身保険の有用性を伝えている。
終身保険と言っても、国内生保がばら撒いているパッケージの混ぜ物の終身保険風のものではない。
純然たる終身保険。
この効果をきちんと伝えている点も貴重だ。
さらに、たくさんの商品を扱っているから適正な商品選択ができますとアピールしながら、その実、手数料の多さで商品選択をしているという指摘のある保険代理店に関しても、必ずしも有用とはいえないと言及している。

お金のやりくりに悩んでいるヒトはもちろん、すっきりミニマルな人生を送りたいと考えているヒトは、この著者の話に聞き耳を立てるべきじゃあないだろうか。

 

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「タフでクールで そしてヒューマンタッチ」Reblogger in Tokyo

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